通関士試験の合格率(2012年)が暗示する真相とは?

――通関士の合格率のことで、直近の試験に関しては個別に語っていただいていますが、次は2012年(平成24年)度の第46回通関士試験の合格率ですね、 終わったばかりの試験ですけど、どのような印象をお持ちですか? 
「実は、関係者もちょうど今一生懸命に研究を重ねている最中なんですね。
この2012年度の通関士試験の合格率は、細かい分析を繰り返し行う必要があります。
その理由は、試験問題の難度のバランスがあまりよくないという事実があったからです。

――具体的にはどういうことですか? 
「まず2012年の通関士の合格率がどうなったのかをちょっと見てみてください」

☆2012年度(平成24年度)の第46回通関士試験

全体の受験者数:8,972人
全体の合格者数:769人
全体の合格率8.6%
合格基準:「通関業法」「関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法」「通関書類の作成要領その他通関手続きの実務」いずれも60%以上

実務免除者:845人
実務免除者における合格者数:268人
実務免除者における合格率:31.7%

全科目受験者:8,127人
全科目受験者における合格者数:501人
全科目受験者における合格率:6.2%

――2012年の通関士試験は合格率が少しよくなりました……よね? 
「その原因は、この前の2011年度の試験の結果にあるでしょうね。
あのときは、問題が予想以上に受験者にとって苛酷でした。
合格率が極端に下がってしまうところでしたが、お上からの意向もあったのでしょう、合格基準を下げることになりました。

でも……合格基準を下げることは、通関士の試験では基本的によくあることじゃなくて、試験本部も例外は増やしたくないようです」

――なるほど。2012年は通関士の合格率が回復する年になったんですね?
「まあ、ポジティブにとらえることはできますよ。2011年度の結果を教訓として、2012年だけじゃなくて、2013年からもしばらくの間は通関士の合格率と問題の難易度が確実に上がってしまうようなことは控えてきてもおかしくないですから。
実際に、2012年度通関士試験では救済をしなくても、合格率は回復したわけですからね (数字だけ見ていると、9.9から8.6に落ちたように見えてしまいますが、実態はその逆です)。

――楽観したくなりますが……?
「でも油断は禁物ですよ! 『当分の間、試験問題は難しくされないだろう』なんてたかをくくっていると、きっと足元をすくわれます。
現に、(最初にいいましたけど)この2012年の試験問題は、難しい部分と解きやすい部分の配分がちぐはぐに見えますからね。試験本部が試行錯誤しているわけですから、また突拍子もない問題の出し方は続くでしょう」

――その中でやっていくべきことは? 
「解ける人が多い問題を絶対に落とさないこと。時間がかかる問題もてきぱきと対処することです。時間配分も大切ですが、演習も大切ですね。よく出る範囲の問題はもちろんですが、それ以外にも上級者向け予想問題集も時間がある限りやっておくといいでしょう」