通関士試験の合格率(2011年)が暗示する真相とは?

――通関士の合格率のことで、直近の試験に関しては個別に語っていただきましょう。
2011年(平成23年)度の第45回通関士試験は、問題の内容や合格率のことが、受験者・志願者の間でもスクール等の関係者の間でもけっこう話題に花が咲いたようですね? 
「そうですね。2011年の通関士試験は、合格率だけを見ると、この5年以内ではわりと受かりやすかった印象になっちゃうんですけど……でもそんな単純な話じゃありません。裏があったんですね」

――2011年の通関士試験では、合格率の発表……というか合格者の発表のときに議論のタネになるようなことも一緒に発表されたんですよね? 
「はい、2011年は、合格基準に思い切った変更が入りましたね。
『通関書類の作成要領その他通関手続きの実務』の合格基準が、60%から50%に下げられたんですよ!ちょっと見てみてください」

☆2011年度(平成23年度)の第45回通関士試験

全体の受験者数:9,131人
全体の合格者数:901人
全体の合格率:9.9%
合格基準:「通関業法」「関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法」については60%以上、「通関書類の作成要領その他通関手続きの実務」については50%以上

実務免除者数:779人
実務免除者における合格者数:261人
実務免除者における合格率:33.5%

全科目受験者数:8,352人
全科目受験者における合格者数:640人
全科目受験者における合格率:7.7%

――2011年の通関士の合格率は、9.9%となっていて、数字だけ見るとその前の時期よりも少し高くなっていますから、よかったんじゃないかと思う人も出てきそうですが……?
「最後の科目だけ、合格基準を甘くしてもらったんです。これは、受験者の出来栄えが全体的によくなかったからですね。いつも通りの60%の合格基準だと、2011年の通関士の合格率は5%に届かなくて過去最低になってたんじゃないでしょうか!
それも、免除を受けられない一般の受験者だけの合格率に限ったら、救済措置がなければひょっとしたら3~4%だったかもしれません」

――ここからわかることは、どんなことでしょう? 
「問題がこれからも、難しくなる可能性があることです。
受験者としては、時間がある限り、すきがない対策をしておくに越したことはないですね。

もちろん、救済が入る可能性もあります。それもこの結果からわかることですね。
ただし『この2011年度通関士試験の合格率の救済は、試験本部としては相当迷った末での決断だった可能性が高い』です。
協議された末に、『合格率が一気に下がってしまうようなことは回避しよう』 と結論に至ったのでしょう」

――ところで、特にどこが難しかったんでしょう? 
「『輸出申告書』でしょう。実際に、試験後の第一声でこの部分がわかりづらかった、 やりづらかったという反応が多かったので、ここで時間をだいぶ浪費してしまった受験者が多かったのでしょう。これから受ける人たちは、この部分はできるだけ演習を積んでおいてほしいですね」